murawaki の雑記

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日本語ネットが閉じているのは表記が原因か

本筋の検索の話。曰く、「ネットは島宇宙化しやすい。それをつなぐのは検索しかない。しかし日本語は文字が違う。オランダ語インドネシア語なら同じアルファベットだから検索ワードで引っかかる。すると容赦なく外側に開かざるを得ない。」着眼点は面白い。しかし多分違う。

独立した話がいくつかある。一つは Google が言語判別をランキングに使っていること。例えば、google.co.jp から仮に英語のキーワードを入れたとしても、日本語のサイトが上位に来る。個人的にはこれが鬱陶しくて google.com を使うことが多い。同じ機能が日本語以外の言語でも効いているはず。だから利用者は同じ言語のサイトに誘導されている。というよりも、大半の利用者がそれを望むから Google がそうしている。だから、文字が共通というだけでは、言語を無視したランキングから想定されるよりもずっと少ない利用者しか訪問しないはず。もちろん定量的なデータは持ち合わせていない。

もう一つは、傲慢で、しかも自分が傲慢であることに気づいていないアメリカ人が、英語以外のページを頑張って読むなんて想像できない。わけのわからない文字は問答無用で忌避する。では同じアルファベットだからとインドネシア語のページを読もうとするだろうか。そのページによほど魅力がなければしないだろう。

最後に、日本語と表記が似ている中国語を考えればよい。日本語と中国語は検索によってつなげられているか。そんなことはない。普通の日本人は簡体字が読めないことを差し引いても、断絶しすぎではないか。思いつく例だと、中国語版 Wikipedia の執筆者は日本語版を結構見ているようだが、逆はあまりなさそう。聞くところでは、中国語のネットも閉じた独自の世界を築いているらしい。中国人は英語ができる印象があるが、それは母数が多すぎるから。大多数の中国人は英語ができずに中国語で閉じているはず。

結局、日本語ネットが閉じている理由は、オランダ人と違って日本人は英語ができないことに求めればよい。表記が検索に与える影響は原因としては小さいと思う。